交通事故に遭い3か月間通院した場合の慰謝料の相場
1 交通事故に遭ったときの慰謝料を算出する基準
慰謝料とは、交通事故によって負傷した被害者が被った精神的な苦痛に関する損害を金銭に換算したものです。
被害者が味わった精神的な苦痛は目に見えるものでなく、苦痛の感じ方は人によって異なるため、客観的な金額を算出することは不可能です。
そのため、保険会社や裁判所は、慰謝料を算出するにあたって、一応の目安ともいうべき基準をもっています。
この基準によって算出された慰謝料が、交通事故の慰謝料の相場といえます。
慰謝料を算出する目安となる基準は、①自賠責基準(自賠責保険会社が用いる基準)、②任意保険会社基準(加害者の任意保険会社が用いる基準)、③裁判所基準(交通事故裁判において裁判所が用いる基準)に分類されます。
2 むちうちで3か月間通院した場合の慰謝料の相場
①自賠責基準、②任意保険会社基準、③裁判所基準のいずれも、慰謝料を算出するにあたって、通院日数も考慮します。
例えば、むちうちで1週間に2回のペースで3か月間通院した場合(通院日数計24日)、①自賠責基準による慰謝料の相場は、4300円×24日×2=20万6400円です。
②任意保険会社基準による慰謝料の相場は、被害者の賠償金が自賠責保険の上限額(120万)を超えない限り、①自賠責保険基準を用いることが多いため、20万6400円です。
③裁判所基準による慰謝料の相場は、通称「赤い本」と呼ばれる「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」を参照します。
むちうち症状で他覚所見がない場合、53万円です。
3 骨折で3か月間通院した場合の慰謝料の相場
骨折して1週間に2回のペースで3か月間通院した場合(通院日数計24日)、①自賠責基準による慰謝料の相場は、4300円×24日×2=20万6400円です。
①自賠責保険基準による慰謝料は、傷害の内容や程度にかかわらず、原則として、(4300円×通院期間)と(4300円×通院日数×2)とを比較して少ない金額となるからです。
通院日数は、同日に整形外科と接骨院の2院に通院した場合、2日ではなく1日としてカウントします。
②任意保険会社基準による慰謝料の相場も、むちうちの場合と同じく、被害者の賠償金が自賠責保険の上限額(120万)を超えない限り、通常、①自賠責保険基準を用いるため、20万6400円です。
③裁判所基準による慰謝料の相場は、73万円です。
裁判所基準によると、傷害の内容や程度が考慮されるため、むちうちより骨折のほうが高くなります。
骨折は、通常、むちうち(捻挫)・打撲・挫創より重症といえ、被害者が被った精神的な苦痛はより大きいと推測されるからです。
4 弁護士にご相談ください
弁護士は、③裁判所基準を用いて慰謝料を算定するため、弁護士が交渉すると、加害者の保険会社が提示した慰謝料が増額する可能性があります。
弁護士法人心 東京法律事務所では、加害者の保険会社が提示した示談金の妥当性を無料でチェックするサービスを行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。