東京で『交通事故』に強い弁護士

反射性交感神経性ジストロフィ(RSD)の後遺症の損害

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2024年5月31日

1 RSDとは

RSDとはReflex Sympathetic Dystrophyの略称であり、日本語では「反射性交感神経性ジルトロフィー」と訳されます。

このRSDは、一般的に以下のような病気として考えられています。

まず、身体の一部に怪我をした場合には交感神経の反射が起こることで、人体には血管収縮を促して出血を止めるなどの反応が生じます。

ただし、通常は、怪我が回復するにともない交感神経の興奮は弱まり、平常な状態に戻っていきます。

ところが、交感神経の反射が持続して、外傷として怪我が治っているにも関わらず、交感神経の異常亢進による痛みだけが患部に持続するという症例が存在します。

このような症例が、RSDと呼ばれるものです。

RSDの主な特徴としては、患部の持続する疼痛に加えて、腫脹、関節拘縮、皮膚変化が挙げられます。

2 RSDが交通事故の後遺症として残った場合

交通事故が原因でRSDを発症して後遺症が残った場合には、当該症状について後遺障害認定を受けて加害者に損害賠償請求をすることが考えられます。

自賠責保険や過去の裁判例において、交通事故によってRSDを発症したものとして後遺障害を認めるための認定基準とされていたのは、概ね以下の点です。

まず、患部に持続する疼痛が存在していることです。

次に、患部に①関節拘縮、②骨委縮、③皮膚の温度の変化や皮膚の委縮といった皮膚の変化という、RSDの慢性期の主要な症状が、RSDを発症していない側の体の部位と比較して明らかに認められるかどうかということが認定の基準とされます。

3 RSDの損害賠償について

RSDが交通事故の後遺障害として認定された場合には、7級4号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」、9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当程度に制限されるもの」、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」として、後遺障害の等級が認定され、各等級に応じた後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料の損害賠償請求が可能となります。

ただし、RSDについては、発症に被害者の体質的要因が寄与しているとして、加害者側から素因減額の主張がなされることも少なくありません。

そのため、まずは弁護士までご相談することをおすすめします。

RSDでお悩みの方は、ぜひ一度、当法人までご相談ください。

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