東京で『交通事故』に強い弁護士

完治して、保険会社から示談金の提案があったのですが、このまま示談しても大丈夫でしょうか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2020年12月3日

1 保険会社は低額な示談金を提示することがある

保険会社は、相場の金額よりも低額な示談金を提案することがあります。

一般的には相場といわれる弁護士基準(裁判基準)よりも低額な自賠責基準や保険会社基準で提案されることが多いです。

⑴ 自賠責基準

自賠責基準とは、自賠責保険会社で支払われる基準をいいます。

自賠責保険は、最低限の補償を行う保険で、それを超える部分は、本来、任意保険が補うことになります。

自賠責保険は、傷害分(死亡と後遺障害分を除く )は、主に、治療費・交通費・休業損害・慰謝料などの合計で120万円を上限にしています。

そのため、120万円を超えた場合には、自賠責保険では補償されません 。

自賠責基準では、慰謝料の計算は、①総治療期間×4300円(令和2年4月1日より前に発生した事故であれば4200円)か、もしくは、②実治療日数×2×4300円(令和2年4月1日より前に発生した事故であれば4200円)、のうちいずれか低い金額になります。

⑵ 任意保険基準

保険会社が内部で定めた基準で、基本的には、外部に公表されていませんが、一般的には、弁護士基準(裁判基準)よりは低額です。

⑶ 弁護士基準(裁判基準)

弁護士基準の慰謝料の相場は、基本的には、入通院期間と入通院日数が関係します。

たとえば、他覚所見がないむちうち症などの場合、通院期間が1か月であれば19万円、3か月であれば53万円、4か月であれば67万円 、6か月であれば89万円、が弁護士基準の慰謝料です。

通院が長期にわたる場合には、実通院日数の3倍程度を基準として慰謝料を計算することがあります。

また、他覚所見がないむちうち症以外の場合、通院期間が1か月であれば28万円、3か月であれば73万円、4か月であれば90万円 、6か月であれば116万円、が弁護士基準(裁判基準)の慰謝料です。

通院が長期にわたる場合には、実通院日数の3.5倍程度を基準として慰謝料を計算することがあります。

⑷ 事例

たとえば、令和2年4月1日以降の事故、骨折で、通院期間120日、実通院日数40日の事案であれば、通院期間120日×4300=51万6000円>実通院日数40日×2×4300円=34万4000円となりますので、自賠責基準の慰謝料は34万4000円になります。

これに対して、弁護士基準の場合には、骨折事案で、通院期間120日(4か月)は90万円になります。

この事例では弁護士基準と自賠責基準でおおよそ3倍弱の金額差が生じうることになります。

2 示談前に弁護士に相談した方が良い

上記のとおり、保険会社は低額な示談金を提案することが少なくありません。

事例によっては、3倍程度の金額差が生じることもあります。

一般的には、示談後では、示談金を争うことができなくなるため、示談前に弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人心では、無料で示談金が適正かをチェックするサービスを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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