東京で『交通事故』に強い弁護士

学生が後遺障害を負った場合の逸失利益

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2021年3月15日

1 はじめに

交通事故の被害者に後遺障害が残ってしまった場合、仮に被害者に後遺障害が残らなかったとしたら将来被害者が受けることができたであろう利益(これを、「後遺障害逸失利益」と言います。)についての賠償がなされるのが通常です。

後遺障害逸失利益は、「基礎収入×後遺障害により労働能力を喪失した割合×労働能力の喪失が認められる期間に対応するライプニッツ係数」という計算式で算出されます。

それでは、学生のように、交通事故が発生した時点では収入を得ていない方の後遺障害逸失利益はどのように考えればよいでしょうか。

2 学生が後遺障害を負った場合の逸失利益

交通事故の被害者の方が、交通事故に遭った時点では学生であったために収入が存在しなかったという場合でも、直ちに後遺障害逸失利益の算定における基礎収入が0円として扱われてしまうことにはなりません。

以下では、交通事故の被害者の方が、小学生のような年少者である場合と、大学生で将来の進路も決まっているような場合に場合分けをして検討をしたいと思います。

 ⑴ 交通事故被害者の方が年少者である場合

後遺障害逸失利益は、将来にわたる損害ですので、事故当時収入を得ていなかったからといって、基礎収入を0円として扱うのは不合理な結論となってしまう場合があります。

そのため、交通事故の被害者が年少者である場合は、賃金センサスの「男女別」、あるいは、「男女をあわせた全労働者」・「全年齢」・「学歴計」の平均賃金を基礎収入として、後遺障害逸失利益を算出することが多くあります。

参考リンク:厚生労働省・賃金構造基本統計調査

 ⑵ 交通事故被害者の方が進路の決まった大学生である場合

大学生の方で、既に内定を得ているというような、将来特定の職業に就く可能性が極めて高いという場合は、当該職業に応じた基礎収入を基礎に、後遺障害逸失利益が算定される場合があります。

もっとも、「特定の職業に就く可能性」については、漠然としたものでは足りず、個別の事案における具体的な事情の下、高度の蓋然性が存在することが必要です。

3 交通事故に関してお困りの方

以上のとおり、学生のように、交通事故が発生した時点では収入を得ていない方の後遺障害逸失利益については、既に収入を得ている方とは異なった取り扱いがなされる場合があります。

弁護士法人心 東京法律事務所の弁護士は、交通事故が発生した時点では収入を得ていない方の案件についても対応しておりますので、お困りごとがございましたら、お気軽に弁護士法人心 東京法律事務所までご連絡ください。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ

お役立ち情報トップ

弁護士等の専門家

損害賠償金(示談金)

後遺障害

高次脳機能障害

むち打ち

過失

治療

保険

東京の方へ

東京23区外の方へ

東京周辺の方へ

その他

お問合せ・アクセス・地図へ

お問合せ・アクセス・地図へ

学生でも後遺障害逸失利益は認められます

交通事故の被害者に後遺障害が残ってしまった場合,後遺障害逸失利益というものを請求することができます。

まず,事故後,後遺障害が残ってしまったことによって,将来仕事等に影響が出てしまい,得られるはずであった年収が減ってしまうと考えられます。

事故に遭わず,後遺障害が残らなかったら本来得られるべきであった利益のことを後遺障害逸失利益と言います。

後遺障害逸失利益は,「基礎収入×後遺障害により労働能力を喪失した割合×労働能力の喪失が認められる期間に対応するライプニッツ係数」という計算式で計算されます。

では,学生のように,交通事故が発生した時点では収入を得ていない方の後遺障害逸失利益はどのように考えればよいでしょうか。

交通事故の被害者の方が,交通事故に遭った時点では学生であったために収入が存在しなかったという場合でも,直ちに後遺障害逸失利益の算定における基礎収入が0円として扱われてしまうことにはなりません。

交通事故被害者の方が年少者である場合は, 賃金センサスの「男女別」,あるいは,「男女をあわせた全労働者」・「全年齢」・「学歴計」の平均賃金を基礎収入として,後遺障害逸失利益を算出することが多くあります。

交通事故被害者の方が大学生である場合は,将来就業する可能性が高いため,大卒の平均賃金で計算されることが多くあります。

大学生の方で,既に内定を得ているというような,将来特定の職業に就く可能性が極めて高いという場合は,その会社の平均賃金をもとに,後遺障害逸失利益が計算される場合があります。

以上のとおり,学生のように,交通事故が発生した時点では収入を得ていない方の後遺障害逸失利益については,既に収入を得ている方とは異なった取り扱いがなされる場合があります。

学生だから請求するのは難しい,と考えるではなく,どのように請求できる可能性があるか,一度弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人心の弁護士は,依頼者様それぞれにあった提案をさせていただきますので,お困りごとがございましたら,お気軽に弁護士法人心 東京法律事務所までご連絡ください。

お問合せ・アクセス・地図へ